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愛は世界を

 仮に愛が世界を救えるとしても、僕にとってみれば「たかが愛」である。愛だなんだと言っても僕には一見綺麗で舌触りの良い言葉を着せて世迷言を言っているようにしか聞こえないし、使い古されたフレーズはただでさえ黴臭いのに、加えて腐るほど甘ったるくて頭が痛くなってくる。

 こういうことを言うと君はいつも顰め面をする。たかが愛だとしても、その言葉には「されど」が付くものだ。たかが愛、されど愛。確かに愛は実用的ではない。けれどもそれは役立たずという意味でもない。愛は確かに世界を救える。現に君だって救われているはずだ、と。

 僕には君がどうしてそう思うのかわからない。いや、確かに僕は誰かの愛によって生かされている。この生というのはそれなりに幸せである。だから君は僕を救われているものとしたのだろう。けれど僕は僕を救われた存在だとは思わない。

 すると君はまた顰め面をする。君は幸せだからそう思うのだ、と。

 僕にはやはり君の言うことがわからない。僕にはそもそも「世界を救う」というのがどういう意味なのかわからないのだ。


 世界は今日も拍動している。

一体何が幸せであろうか
(2010XXXX)